最近よく耳にする「ゼロ・ウェイスト」って?! 実践する意味やメリットなどをご紹介します

最近、雑誌や本などで見かけるようになった言葉、「ゼロ・ウェイスト」を知っていますか。

「ゼロ・ウェイスト」とは「無駄・ごみ・浪費」をなくすという意味。
地球環境問題がますます顕著化する中で、ごみの処理方法に力を入れることも大切ですが、
それ以前に「ごみを出さない」ようにという考え方のことです。
主に「ゼロ・ウェイスト」について書かれたバイブルのような一冊、『ゼロ・ウェイスト・ホーム』を紐解きながらそのメリットなどについて詳しくご紹介しています。

日本・世界のごみ処理事情を知るところから

世界で一年間に排出されるごみは、なんと約21億2千万トン。
そのなかでリサイクルされているのはたった16%だそうです。
しかも私たちが買ったものの約99%が、半年以内にはごみとして捨てられているのです。
その多くは適切に処理されず、環境を汚染し生態系にまで影響を与えているのが現状です。
日本は廃棄物の分別が細かく、「毎日ごみ出し」という自治体もあるでしょう。
ごみの種類ごとに分別することに追われ、それだけで「よくやった!」と安心しがちです。

リサイクル=持続可能ではない

細かく分別し、リサイクルできるものはまた資源として生まれ変わらせるというのも大切。
しかも日本には先進的なリサイクル技術があります。
ですがリサイクルするためには多量のエネルギーを要し、しかもリサイクルのたびに素材の質は低下していくため、持続可能というわけにはいかないのです。
だからこそゼロ・ウェイストでは、そもそもゴミを出さない、という考え方を大切にしているのです。

世界28カ国で翻訳された本『ゼロ・ウェイスト・ホーム』

ごみを出さないという考え方、「ゼロ・ウェイスト」を語るのに欠かせないのが、その概念を世界に広めた『ゼロ・ウェイスト・ホーム』という一冊の本。
この本の著者ベア・ジョンソンは、ごみを出さないシンプルかつ豊かな暮らしを自ら実践し、 一年間に出すごみの量はなんと家族4人でガラス一本分(約一リットル)!
「ゼロ・ウェイスト」の紹介だけでなく、無意識に捨てていたごみの検証や、具体的なごみゼロライフの実践方法など、興味深いテーマごとに掘り下げて書かれています。
著者ベア・ジョンソンの公式サイトによると28ヶ国語(2020年現在)に訳され、世界中で読まれている一冊です。

心まで豊かになる優雅な暮らし

節約だらけのストイックな暮らしは、ともすれば心がすさんでしまいますが、彼女の暮らしぶりにはそのようなマイナス要素は感じられません。
それどころか心まで豊かになる優雅な暮らし。
彼女の暮らしからはそのような印象を受けます。

 

「ゼロ・ウェイスト」とおしゃれな暮らしの両立

『ゼロ・ウェイスト・ホーム』が火付け役となり、世界中でごみを出さない暮らしの実践者が急増しています。
例えばニューヨーク在住のローレン・シンガーさん。
彼女は20代前半にこの本と出会い、ひとり暮らしということもありますが 大都会の中で「二年で500ml」という、驚きの「ゼロ・ウェイスト」を成功させています。

 楽しい工夫の延長線上にある「ゼロ・ウェイスト」

彼女の公式サイトやSNSを覗いてみても、あくまで楽しい工夫の延長線上に「ゼロ・ウェイスト」があったという自然さが魅力です。

ローレンシンガー

しかも洗練されたおしゃれな暮らしは、「ごみを出さない」という考えに縛られなくても、きっと参考にしたくなります。

「ゼロ・ウェイスト」が私たちの人生にもたらすメリット

ゼロ・ウェイストのメリット

ごみを出さない暮らしがもたらす恩恵とは何でしょうか。
『ゼロ・ウェイスト・ホーム』の著者ベア・ジョンソンの暮らしを掘り下げると、見えてくるものがありました。

「家庭では、生活の質が確実に向上する」

彼女は著者の中で「ゼロ・ウェイスト」について、このように断言しています。
例えば、プラスチックフリーの暮らしでスナック菓子やファーストフードと縁がなくなり、自然食品やオーガニック製品を使うため「 健康面でのメリット」を感じる、さらに「 お金や時間の節約」に繋がるなどです。
また「ゼロ・ウェイスト」ライフの実践でこれらの利点が得られることを、「 人生に余白ができる」という表現をしていたのも印象的です。

 最も満足度の高いメリットは「時間の節約」

なかでもこのライフスタイルにおける、最も満足度の高いメリットは「時間の節約」だとベア・ジョンソンは挙げていました。
具体的には

  • ・家事の時間が最小限に
  • ・買い物に費やす時間からの解放
  • ・クリスマスやハロウィンなど派手なイベント準備からの解放
  • ・生活コストが下がりパートナーは長時間労働から解放


といったような恩恵があったとのこと。

時間の優先順位が明確になり、結果的に「出逢いや経験を大切にする暮らしにができるようなり、自然とのつながりを取り戻すことができた」そうです。

 「ゼロ・ウェイスト」への道は「5つのR」を知ることから

ア・ジョンソン等が示してくれた洗練された「ゼロ・ウェイスト」な暮らし。
考え方も環境問題への取り組みとしても確かに素晴らしいですが、さすがに私たちが実践するとなるとハードルの高さに怖気づいてしまいます。
でも大丈夫!
あくまでごみゼロを目指すライフスタイルであって、今すぐ彼女達のような結果を出す必要はありません。
興味が沸いたらまず始めてみてください、ここに『ゼロ・ウェイスト・ホーム』の中で提案されていた「ゼロ・ウェイスト」の5つのステップをご紹介します。

Refuse(断る)


形だけ、またせっかくだからと今まで受け取っていたもの、たくさんありますよね。

レジ袋、ペットボトル、カップやストローなどの「使い捨てプラスチック」や、ホテルのアメニティや記念品など「無料グッズ」は本当に必要でしょうか。
日本ならではの丁寧な包装も、時間がたてばごみ箱へ。
贈り物の場合はもちろん別ですが、 近い将来ごみになるものを家に入れないようにと意識するだけで違いが出ます。

Reduce(減らす)


家にあるものの必要性を見極め、不必要なものを手放し、今後何か新しいものを家に持ち込む際には熟考すること。

「断捨離」や「ミニマリスト」という考え方が参考になると思います。
ただ手放すと言ってもごみとして廃棄するのは本末転倒!処分の仕方もいろいろあるので調べてみましょう。
今後はできるだけ「買わない」選択をすることで、貴重な資源を確実に節約していくことができます。

Reuse(繰り返し使う)


Reuseとリサイクルとの違いは「最初に作られた製品のままで何度も使うこと」。

修理や修繕を繰り返し、限界まで使い切る心意気が大切です。
またどうしても 新しく買うときには、繰り返し使うことを視野に入れた上で質を重視して商品を選ぶのもポイントです。

Recycle(リサイクルする)


1~3を可能な限り行うことが大前提です。

その上で、ごみの分別は地域のルールに従ってしっかり行い、まだ使えるけど不要になったものはユーズドショップやバザーに出すなどしましょう。
ただし プラスチックはリサイクルが難しい素材のため、日本でのリサイクル率はたった25%。
こういったことも頭に入れておきたいですね。

Rot(堆肥化)


家庭で出た生ごみは「コンポスト(生ごみ処理機)」を使って「堆肥化」すること。

処理の仕方が異なる乾燥式とバイオ式があり、値段もピンキリです。
ライフスタイルに合わせて無理のないものを選ぶのがおすすめ。

まとめ

「ゼロ・ウェイスト」についてご紹介しましたがいかがでしたか。
ベア・ジョンソンはじめ実践している人たちは、その暮らしを心から楽しんでいるように見えます。
しかも今まで意識していなかったことをし始めるため、最初から驚くほどごみが減る、そのことが面白いとう人も。
心地よく地球にも優しい暮らしとあれば、試してみる価値はありそうですね。この記事がそのきっかけになれば幸いです。
文:mia 構成:さくみ 編集:さくみ

COMMENT

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