さまざまな経験を乗り越え、当時の自分が必要だった場を創り続ける【『お家サロンRose Mary』野村千夏(ローズマリー)さん vol.2】

 
本来の自分と繋がり、イキイキとその瞬間を生き切る女性をインタビューしています。
前回に引き続き「ローズマリー」こと野村千夏さんにお話を伺っています。
異なる業界でキャリアを伸ばす彼女の働き方(生き方)は、とても今の時代らしいように感じます。
どのような流れで今のスタイルにたどり着いたのかと聞くと、まるで陽だまりのように温かい彼女の雰囲気からは想像しにくい人生の歩みを語ってくださいました。
 
インタビュアー・文・写真:mia
 
-これから時代は「パラレルキャリア」と言われていますが、まさにローズマリーさんの働き方はそのものですね。大まかな流れを教えてください。
ローズマリー:好きなことと縁があったことが、気付けばこのようなスタイルになっていました。笑。
メインの活動としているエステ『お家サロン RoseMary』を始めたのは、もとからやりたかったから。
実は実家が理容店だった影響もあり、美容に関する仕事をやりたい気持ちはいつもありました。
美しいもの、華やかなものが好きな気持ちはずっとあったのかもしれません。
お花の寄せ植えを始めたのも、エステを始めた後でした。
自然に触れながらひとつの作品を作っていると、無心になり心が青空のように晴れ渡る瞬間があるんです。楽しくて夢中でやっているうち講師として呼ばれるようになり、いくつかの賞までいただきました(下記の写真参考)。
そして趣味の延長というより、使命のひとつのように感じて国家資格を取得しキャリアコンサルの活動も始めました。私自身の人生の経験から、必要性を感じたのもあったと思います。
その後サロンを宣伝するという形でスタートしたのが、ラジオパーソナリティーです。
こちらは逆に今までは全く興味がない世界でしたが、ご縁に任せてみたのです。すると2019年には「最優秀新人賞」をいただいて…!気負いがなかったのが功を奏したのかもしれませんね。笑。
 

ローズマリーさんのプロフィールはまさにパラレルキャリア

 
-その拡大の仕方が、とても自然で素晴らしいです!
ひとりの人がそこまで活動を広げていく過程には、さまざまなきっかけやタイミングがあったと思いますが…?
ローズマリー:人生ドラマのようになってしまうのですが…。苦笑。
一言でいうと波乱万丈でしたね!
私はある大手小売業で約20年間財務経理部で、新店オープンから閉店業務、全国の店舗の事務所部門の管理までを任されていました。
時代も時代でしたし会社自体の経営難もあり、辞める直前は過労死ラインを超える残業が何年も続きました…。そしてとうとう私は過労で倒れてしまうんです。
心も身体も壊れてしまうような経験でした。
 
-なるほど…!頑張り過ぎてしまったんですね。
ローズマリー:私、人に頼ることができなくて。「できないから助けて」って言えなかったんですよ。
自分が無理したらなんとかできるから、力づくで頑張ってしまう。
でもさすがにもう限界でした。職場にも相談して可能な限り休職もしましたが、何度かそれを繰り返しても復帰できるほど回復しなかったんです。
このときに一番堪えたのはやはり心ですね。身体は治らないのに、安心して頼る人も場所もない。家賃を払い続けて貯金も目減りする一方で…。
そういう不安定な状況にますます心はやられてしまうんです。
実家では、どうしても亭主関白気質な父親と合わなくて。
私はずっと独身主義でしたが、結婚(夫婦)生活の大変さを肌で知っていたことも関係していると思います。
でもさすがにこれはだめだと、とことん弱気になったときに出した答えが「婚活」だったんですよ。笑。
頼れる存在を求めてしまったのですね。
ただ、これがまたうまくいかなくて!話が進んでいっても父親の干渉にあったり…。笑。
 

サロンの庭先にてローズマリーとご本人

 
-今の旦那さまとは婚活で出会うのですか!?
 ローズマリー:実は婚活はうまくいかず一度は諦めました。苦笑。
でもあるとき、「いろいろうまくいかないことはあるけれど私はこうして生きているじゃない!」って思えたんです。そのシンプルな事実を強く思い出せたんですね。
その気付きから人生は少し違う展開を始めました。
知り合いからある男性を紹介されたのです。とにかく居心地がよく一緒にいて楽。そして素直になることができる人で。
それでもまだ亭主関白気質の父の影響で、結婚に踏み切れずにいると「あなたはそれ以上ないほど難しい人を身近で見てきたのだから、大丈夫!」と励まされ結果、結婚に踏み切ることができました。笑。
 
-おめでとうございました!笑。結婚して求めていた安らぎは得られましたか、何か変化はありましたか。
ローズマリー:日々安心に包まれながら、正直こんなに精神的に落ち着く関係があるのだと。苦笑。素直になって人に頼ってもいいというのを、私は結婚を通して学んだのかもしれません。
安心という基盤ができたことから、何かを始めたいという方向へ私の意識は向き始めました。
そして家を建てることになり、私が本当はずっとやりたかった美容関係の仕事をすることに。主人は私が仕事をすることをとても喜び応援してくれています。
『お家サロン』で本当に上質だと思えるものを提供できるのも、ひとりのお客さまに何時間も費やせるのも心の安定とゆとりがあってこそ、だと思います。彼に感謝ですね!
 

爽やかなローズマリー特有の香りが漂う

二種類のローズマリーが咲き誇る

 
-ラジオ番組『RoseMaryのほっこり心晴日和』を始めたきっかけについて教えてください。
ローズマリー:あるパーソナリティーの方との出会いがきっかけですね。
最初にお誘いを受けたときは「とんでもない」と即お断りしました。すると「サロンやってるんでしょ、宣伝してみない」と言われ、それもそうだなと出演。
次には「誰か話したい人がいるなら、ゲストに呼んで話してみない?」と。
実はその少し前、実家が火事で全焼したんですね。もちろんそれだけでも衝撃ですが、さらに父親がこの火事で亡くなり、母も一命は取り留めたものの長期入院で認知症になり…。
そんな状況が少し落ち着いた直後でした。そのパーソナリティーの方に「楽しかったでしょ!やってみない?こういうのは直感よ直感」と言われ、ふと立ち止まり思ったんです。
人生で一度くらい直感で何かをやってみてもいいんじゃないか。
少しでも「楽しい」と感じられることがあるなら、頭であれこれ考えず素直に従ってみようかなって…。
きっとこのときは何か別なこと、環境に身を置きたかったのかもしれませんね。
 

アカデミー賞にて「最優秀新人賞」受賞

 
 
-気付きとタイミングがかなりキーワードになっているように感じます。
ところで、活動全体のコンセプトなどはありますか
ローズマリー:結果的に、全ての活動が「苦しかった頃の私が欲しかった/必要だったもの」に通じているということ。
過労で倒れた頃、私は弱ったら休むということをしなかった。頑張ったら自分にご褒美という概念もなかったし、誰にも相談できなかったのです。
それらが全てできていたら、また違った人生になっていたかもしれませんが(苦笑)、とにかく私のような人は少なくないはずだと思いました。
当時の私を救うことができる「何か」が提供できるなら、同じような想いをしている誰かの助けにもなるかもしれないな、と。
 
-なるほど!全てそのコンセプトに通じているのですね
ローズマリー:できれば心と身体が壊れてしまう前にまず休み、相談することです。
その相手や場所が必要なら、私がその相手になり場所を作ることができたら、と。
『お家サロン』では植物の力を借りて心からくつろいでもらい、心の内を整理することができる休憩所を提供しています。
ラジオ『RoseMaryのほっこり心晴日和』からはイキイキと生きるゲストさんのお話の中から、生きづらい世の中でも幸せに生きるヒントを見つけてもらいたい。
次は、自分で立ち上がることが必要になりますよね。キャリアコンサルタントなら、具体的な道筋を一緒に考えたり、背中を押すお手伝いができるかもしれないですから。
そう、どの仕事もあの頃の私が求めていたサポートに他ならないんですよね。
 
-その通りですね!最後に今後目指している方向などあれば教えてください。
ローズマリー:自分の経験を通して、頑張る女性に希望を与えられる存在になれればと考えています。
また私のように人生第二のスタートとして仕事と家庭の両立、自分の時間も大切にできる『お家サロン』という働き方で、しっかりと収入を得られる仕組み作りを考えています。
地域や自治体とも協力して、持続可能な「女性の就労支援」に繋がる活動で、女性の自立をサポートしていきたいですね。
 

背景に小さく映る理容店のライトは実家から引き取ったもの

この笑顔とぬくもりのある空間に癒やされる

 

ローズマリーさんのお話を聞いて、まさに「人生一切無駄なし」と感じます。
全ての経験と出会いが繋がり、拡大を続けてこられた波乱万丈の人生!
今回お話を聞いて、おおらかに包み込むようなオーラの奥にどしっと構えた、彼女のゆるぎない力強さの理由を垣間見た気がしました。
今後のご活躍もとっても楽しみにしています!(mia)

 
 
RoseMaryさんの活動情報
[icon name=’fa-heart’] インターネットラジオ『RoseMaryのほっこり心晴日和』

  • fm GIG毎週木曜日(毎週金曜に再放送)
  • 21時30分~22時
  • 以下のurlからお聴き頂けます(サイドB)
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