オーガニックと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか。
「化学農薬・肥料を使わない」といった生産・栽培方法から、「自然に沿った生き方」「エコを意識した生活」などライフスタイル的な視点、また「健康志向の人の選択肢」などを挙げる人もいるかもしれませんね。
一般的には栽培方法や、その栽培方法で作られた野菜や果物を指します。
でも近年では農作物の枠を越えて、様々なシーンで使われているオーガニックについてご紹介したいと思います。
知っているようで知らない⁉ そもそもオーガニックとは
Organic/オーガニックを訳すと「有機」「有機栽培」と出てきます。
つまりオーガニックとは、農薬や化学肥料に頼らず、土壌の力を引き出し、自然環境への負担をできる限り少なくする農法のこと。自然の循環システムを守り、人にも地球にも優しいのが特徴です。
またそれらの農法で作られた野菜や果物のことも、広くオーガニックと呼んでいます。
最近では農作物に留まらず生活に関わるもの、コスメやファッションまたライフスタイルを表現する際にもオーガニックという言葉は使われています。
オーガニック食品を買ってみよう
オーガニック食品の魅力は何といっても、野菜や果物そのものの力強い風味や味わい。つまり自然の恵みをダイレクトに体内に取り入れることができるのです。
一度食べて見ると、いつも気軽に買っている野菜との違いに、感動する人も多いのではないでしょうか。
オーガニック食品はどこで購入できるのか、具体的に紹介します。
自然食品店やオーガニックショップ
自然食品店やオーガニックショップが中心です。これらの店は基本的に、個人商店のようなこじんまりしたスタイルが主流です。
ただ近くにそのような専門店がない場合は、オンラインショップや宅配サービスを利用するのも手です。
道の駅やファーマーズマーケット
道の駅や地域ごとに定期的に行われるファーマーズマーケットなどでも、減農薬や無農薬を謳ったオーガニックの野菜などを買うことができます。
最近は自然派カフェなどでも、店頭で農家さんから届いたオーガニックや自然栽培の野菜が販売される日があることも。
オーガニック食品を買うにはリサーチがカギ
最近でこそ大手のスーパーではオーガニックコーナーを設けるなど、有機栽培されたオーガニックの野菜を購入できるようになりました。それでもまだまだ日本では、オーガニック食品を買うにはリサーチが必要なのが現状です。
マクロビオティックに地元のものを食べるのがいいという「身土不二」という考え方がある通り、なるべく近くの地域から届く野菜を選ぶこと。
そして生産者さんの思いや栽培の背景などストーリーに共感できるところから取り寄せるなどを心がけてみて。
オーガニックに特化したカフェやレストラン
最近は外食の選択肢として、オーガニックレストランやカフェも増えてきています。
近年、在日外国人や観光客が増え、オーガニックはじめヴィーガンやベジタリアンなど食生活の選択肢のニーズが広がっていることも、健康志向の飲食店が増えている理由かもしれませんね。
こういったレストランやカフェでは、有機野菜を栽培する自社農場を持っている店や、信頼の置ける契約オーガニックファームより仕入れる店などさまざまです。
いずれも生命力に溢れたオーガニックの野菜や食品をいただけます。
また、野菜だけでなく、抗生物質不使用や無投薬で自然に近い環境で育てた肉類を提供するなど、食材への意識が高いのも特徴です。
幅広い種類のオーガニックコスメ
口から取り入れる食品だけでなく、特に女性なら朝の洗顔、化粧水、メイクにはじまって、髪のセットやシャンプー・コンディショナーまで、一日を通していくつものコスメ商品を使います。
肌や髪に付けるものだから品質にこだわる
せっかくオーガニックを日常に取り入れるなら、肌や髪に直接触れるコスメ類もなるべく天然素材を使った地球環境に優しいものを選びたいですね。
これらは特に毎日使うものなので、続けるほどにその効果や変化が現れることでしょう。
オーガニックコスメの専門店なども増えつつあり商品のバリエーションも豊富なので、楽しみながら選んでみてはいかがでしょう。
オーガニックかどうかの「見分け方」
日本のオーガニック食品を見分ける方法として、最もメジャーなのが「JASマーク」の有無です。
事業者(作り手)が定められた有機基準に沿って生産し、その事実を第三者の認証機関が証明するという有機認証システムで、その有機JAS基準を満たしている商品に「JASマーク」のロゴを印字できるというものです。
有機JAS基準を満たした「JASマーク」

農林水産省のHPから引用
国産の有機農作物やその加工品で、有機やオーガニックと謳っているものは、原則として有機JAS認定を取得していることになります。
「JASマーク」がついていなくても…
ただ現状として、認定を取得するには厳しい規格はもちろん高額な金額や維持費も掛かります。
そのためJAS認定を受けていなくても、農薬や化学肥料に頼らない生産をしている事業者も少なくありません。
栽培法などを開示していることもあるので、「JASマーク」だけを頼りにするのではなく、生産者にも注目してみることをおすすめします。
JAS以外のオーガニック認証システム
有機JAS規格が定められていない食品、例えば水産物、はちみつや酒類、そして化粧品や石けんなどのコスメティック商品などを扱う事業者向けには、「JONA独自認証」という有機認証があります。

日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会から引用
また日本と有機制度の同等性を認められているアメリカやヨーロッパにも、独自の認証がありロゴやシールなどで見分けることができます。
オーガニックを意識して変わること
オーガニック食を一度食べたからといって、またオーガニックコスメを使い始めたからといって、今すぐ何かが変わるわけではありません。
でも最初は野菜を変え、次に調味料を変えるなど、少しずつオーガニックを日常に取り入れて続けることでさまざまな変化が期待されます。
よく聞くのは、
- 肌がきれいになった
- 味覚が敏感になった(良いものがわかるようになった)
- 体重が減った
- 体力がついた、など。
今までのその人の生活との差によって、その変化には違いがあると思いますが、オーガニックを日常に取り入れ始めた人たちは、何かしらの良い変化を実感しているようです。
まとめ:コツはできる範囲で楽しく!
オーガニックについてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
今まで高かったハードルがぐんと下がり、「私でも取り入れられそう!」、そう感じてもらえれば嬉しいです。
オーガニックなライフスタイルは何も難しいことではありません。
いつもの選択ひとつずつを意識して、変えられる部分をひとつずつより良い方向へ変えていくことから始められます。
取り入れるからには完璧に、と全てオーガニック食品や商品で揃えようとすると疲れてしまいます。またそれらが手に入らなかったとき食べるものがない、という状況に陥ってしまいます。
コツはできる範囲で、楽しく!
気付けばオーガニックな日常が習慣になっていることでしょう。
文:mia 構成:mia 編集:さくみ
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