地球や身体のことを考えている人なら、「月経カップ(ムーンカップ)」について聞いたことがあるのではないでしょうか。
私たち女性は生理のたびに大量のごみを出しています。生理現象とはいえ「ゼロウェイスト」や「サステイナブル」な暮らしの観点からも、あまり望ましくはありません。
今回は紙ナプキンやタンポンに代わるサニタリーグッズとして、月経カップとその使い方をご紹介します。
「月経カップ」とは
月経カップとは、生理カップやムーンカップという名でも知られている、サニタリーグッズのひとつ。
日本ではまだ珍しいですがアメリカが発祥、今では主に北米やイギリスなどの英語圏で、製造販売されています。
経血をカップの中に貯めて使用
見た目が鈴のような、天然ゴムやシリコン製で作られたカップで、タンポンと同じように膣の中に挿入し、経血をカップの中に貯めて使用します。
洗って再利用でき、なんと約10年以上繰り返して使えます。
「サステイナブル」「ゼロウェイスト」な観点からも注目
今まで使っていた紙ナプキンやタンポンと月経カップの大きな違いは、圧倒的にごみが少なくなること。
経血の量によってはそれらとの併用はあるかもしれませんが、いずれにせよ大幅なごみの削減になります。
さらに、同じくごみを出さないサニタリーグッズとして選択肢に挙がる布ナプキンと比べても、長期間繰り返し使用できるため、サステイナブルな視点で見てもメリットは大きいと言えます。
そしてもちろん経済的なのも嬉しいですよね。
[icon name=’ fa-youtube-play’]「FAQ: How do you have a ZERO WASTE period?」
『最近よく耳にする「ゼロ・ウェイスト」っ?! 実践する意味やメリットなどをご紹介します』でもご紹介したゼロ・ウェイストライフ実践者、ソフィアローレンさんも月経カップの紹介をしています。
月経カップを使うメリットとは?
ごみを出さないことから地球に優しいのはもちろん、月経カップを使う人にとってのメリットもありますよ。ここでは代表的なメリットをご紹介します。知ってしまうと、次の生理からチャレンジしたくなるかも?!
デリケートゾーンのムレから解放!
生理のとき特有のデリケートゾーンのムレ、梅雨から夏にかけての蒸し暑い季節は特に気になりますよね。
月経カップを使えば膣口にナプキンを当てる必要がないので、そんな悩みからも解放されます。
実際に使っている人からは、付けていることも忘れてしまうほど快適な使用感だとの声も。
頻回なナプキン交換も必要なし
生理のときに気になるのが、多いときでは数時間ごとのナプキン交換。トイレのあるなしや時間など、いつも気にしなければいけないのも面倒ですよね。
一日に2~4回カップを空にするだけ
メーカーにもよりますが、生理カップは最長6〜8時間使用可能だそう。つまり一日に2~4回カップを空にするだけなので、煩わしさからも解放されます。
安心して寝返りできる
月経カップはナプキン使用時のようにずれの心配がないことから睡眠中も快適です。
生理の際に、気になる寝返りも安心してできるのが嬉しいですよね。これなら寝不足の心配もなさそうです。
月経カップのデメリット
いったん慣れてしまうととても快適で便利そうな月経カップですが、いくつか気を付けたいこと、デメリットもあります。
装着に慣れるまで練習が必要
タンポンを使ったことがある人はわかると思いますが、入る角度や位置、入った感覚などを掴むため、初めは慣れるまで練習が必要です。
それと同じ感覚で月経カップにもコツがあるのです。
出すのはタンポンよりも難しい…
また、月経カップの場合、タンポンよりも出すのは難しいです。
タンポンの場合は紐をそーっと引っ張るだけで抜けると思うのですが、それと同じ要領で月経カップを出すことはできません。
過多月経の人には、おすすめできない
過多月経の人は、何度も月経カップを交換しなければならないことになりますので、おすすめできません。
基本的に過多月経が続く場合は、検査が必要です。検査をしても特に異常が見つからない場合は、まず布ナプキンを使用するなどして、過多月経の状態を改善してから月経カップにもチャレンジしてみてくださいね。
布ナプキンについては「初めての布ナプキン生活。効果や臭い・漏れなどの疑問に答えます」の記事を参考ください。
量が多い日の長時間外出には不向き
月経カップを入れ直す場合には、一度洗浄が必要です。
これを外出先のトイレ、特に公共のトイレで行うのは難しい場合もあるので、経血量が多い日の半日以上の外出の際には向いていないでしょう。
月経カップの使い方とコツ
では月経カップの実際の使い方やコツは、どのようなものでしょうか。詳しく掘り下げて紹介していきますね。
[icon name=’ fa-youtube-play’]分かりやすい動画を参考に
月経カップを挿入する際には、そのままではなくカップを折りたたんで挿入します。挿入出来たら指を放して、膣の中で開き密封されているかを確認します。
取り出す際には手をきれいに洗ってから、指でカップの底に触れるまでゆっくり移動させ、カップの底を摘まんで密封されたカップに空気が入るようにします。
ドイツ製の月経カップ「メルーナ」の使い方動画が、とてもわかりやすいので参考にしてみてください。※メーカーが異なっても、使い方の原則は同じです。
月経カップの消毒と保管方法について
月経カップの消毒方法は、「月経期間中」「外出時の月経期間中」「月経期間外」によって異なります。各メーカーごとにおすすめの消毒方法が記載されていますので、それに順じて行えば問題ないでしょう。
ここでは、簡単な月経カップの消毒方法についてご紹介しておきます。
「月経期間中」
水でゆすいだ後、デリケートゾーン専用石鹸など低刺激の石鹸をつけて簡単に洗浄し再びゆすぐ。それから、清潔な手で再び挿入。
編集長も使用しているおすすめのデリケートゾーン専用石鹸はこちら。
「外出時の月経期間中」
ペットボトル水など、清潔な水でゆすいだ後、ノンアルコールのウェットティッシュできれいにふきとり、清潔な手で再び挿入。
「月経期間外」
「月経期間中」と同様に、洗浄して消毒した後、専用のケースに入れて保管。
通常、月経カップを購入した際は、専用のケースもついてきます。
月経カップ使用時のコツ
月経カップ使用時の具体的なコツをいくつかご紹介します。
(2)装着時はローションを使用して滑りを良く
(3)取り出すときは骨盤底筋で押し出す
(4)量が多い日はナプキンと併用
(5)爪は短くしておく
深呼吸してリラックス
力が入っていると、月経カップがうまく入らない場合があります。
装着時はローションを使用して滑りを良く
特に月経カップ初心者は、ローションを使用して滑りを良くすると装着しやすいはず。また、量が少ない日においてもローションはスムーズな装着を手助けしてくれます。
なお、長時間体内に付着するものとなりますので、ローションはオーガニック系のものがおすすめ。
当サイトで度々取り上げさせていただいている植物療法士の「森田敦子さん」さんがプロデュースするオーガニックブランド「INTIME」でも、ローションが販売されていますよ。ぜひ参考までに。
取り出すときは骨盤底筋で押し出す
取り出すときは、お腹に力を入れて骨盤底筋で押し出すイメージを持ってください。
くれぐれも、むやみに月経カップのハンドルを引っ張らないように。
量が多い日はナプキンと併用
量が多い日や、夜間の使用時は、ナプキンと併用しておきましょう。タンポン同様、漏れるリスクがあります。
可能であれば、この時のナプキンは「布ナプキン」を使うと、さらにサステイナブルです。
爪は短くしておく
爪が伸びていると、膣内を傷つけるリスクがありますので、必ず爪は短くしておきましょう。
まとめ
快適かつ地球にも優しいサニタリーグッズ、月経カップについてご紹介しました。
面倒に思われた人もいるかもしれませんが、実際使ってみるともう使い捨てナプキンには戻れないという声も。実際に、ケミカルな素材のパッドを膣口に当てなくてよくなる解放感は大きいみたいですよ。
サステイナブル、ゼロウェイストな暮らしの第一歩として、始めてみてはいかがでしょうか。
文:mia 構成:さくみ 編集:さくみ
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