私たちがいつも無意識に行っている呼吸。
当たり前になり過ぎて、特に意識をフォーカスすることは少ないですよね。でも数日間ご飯を食べなくても生きていけるけれど、呼吸を数分間でも止めるとどうなってしまうでしょうか…。
私たちに必要不可欠な呼吸、実は生命を保つためのみならず、心や身体を整える効果もあります。
さらに呼吸法を通じて呼吸の一回一回を意識すれば、「今ここにある」ことを実感し、自分の中心に戻っていくためのツールにもなり得るのではないでしょうか。
呼吸は不調やストレスとも密接な繋がりが
例えばパニックに陥った人や、緊張している人などに対して「ゆっくり深呼吸して」と声を掛けるシーン、テレビドラマや日常でも見かけることがありますよね。
極度な緊張状態と呼吸
そんな風に私たちは、極度な緊張状態にあったり何かに没頭していると、呼吸を忘れそうになりがちです。
忘れるとまでは行かなくても呼吸が浅くなり、交感神経が刺激され、身体に酸素が行き渡らない状態に陥っていることがあります。
現代人の強いストレス
現代人は日常生活の中で強いストレスを感じることも多く、その期間が長く続くと身体に不調を来たすことがありますが、それも呼吸がしっかりとできていないことに起因しているかもしれません。
そのくらい呼吸と身体や心の状態は、密接な繋がりがあるのです。
呼吸を意識して期待できる効果
呼吸を意識することで期待できる、ポジティブな効果を上げてみます。
- 自分軸を取り戻す
- 気持ちがどっしりとする
- 気持ちが軽やかになる
- 何ごとにも動じない自分になる
- 身体の代謝が良くなる
- お腹がへこむ
- 不調が解消される
上記は、関連サイトや書籍に記載されていたり人や自分の実体験も含めたもので、ざっと挙げただけでこれだけあります。
やはり呼吸を意識して丁寧に行うことで、心と身体の両方にポジティブな効果が期待できるようです。
便秘や冷えの解消や生理痛の緩和
不調が解消されたという効果の中には、便秘や冷えの解消や生理痛の緩和なども!
お腹を意識して動かすことで、全身の血流や代謝が良くなるのがその理由だとしたら納得できますね。
違いを知った上で「腹式呼吸」をやってみよう
それでは実際に、「呼吸法」を行ってみましょう。
呼吸法(こきゅうほう)とは、呼吸(息)のしかた、またその技術体系やそれを用いた訓練法などのこと。身体の機能を向上させることを目指すもの、心の働きを活発化させるもの、心の落ち着きをもたらすことを目指すもの、心身全体の調和をもたらすことを目指すもの、等々がある。
呼吸法 – Wikipedia
誰しも一度は、呼吸法のひとつである「腹式呼吸」について聞いたことがあると思います。
瞑想やヨガなどでよく使われる「腹式呼吸」は、身体を緩めて血行を良くし、身体をリラックスした状態に戻すことができるそうです。
これとは別に胸郭を使う「胸式呼吸」もありますが、リラックスした状態で呼吸に集中するためにも、今回は腹式をおすすめします。
胸式呼吸と腹式呼吸の違いとは
日頃あなたが行っている呼吸は、胸式か腹式のどちらでしょうか。
今まで意識していなかった人はしてみてください、息を吸うときに身体のどの部分が動くかで違いがわかります。
胸式呼吸
呼吸時に、胸郭を使い肺が横に広がるのが胸式呼吸。
寝ている状態で横から見ると、胸が上下します。交感神経が優位になり適度な緊張感を与えます。
呼吸が浅い場合はほとんどがこの胸式呼吸です。
またピラティスではこの呼吸法を使います。
腹式呼吸
呼吸時に、肺の下にある横隔膜が下がるのが腹式呼吸。
寝ている状態で横から見ると、お腹が上下します。
副交感神経が優位になり、筋肉の緊張がほぐれリラックスできます。
ヨガではもちろん、喉や肩などに変な力が加わらないため、ボーカルトレーニングでもこの呼吸法を使います。
「腹式呼吸」のコツ!
- 吐くことが先
- 鼻から吐いて鼻から吸う
- 吐く時はお腹をへこませるイメージ
- 吐ききったら力を抜く
呼吸で大切なことは「いつも吐くことが先」だということ。そして鼻から吐いて鼻から吸うということです。
まずは鼻からゆっくりと細く長い息を吐き出します。このときお腹をへこませるイメージをすると行いやすいですよ。
これ以上吐けないとなれば、ふっと力を抜きます。すると吸おうとしなくても自然と空気がふわっと体内に入ってきます。
理想の回数
理想の回数は「1分間に4回」だそうですが、慣れるまでは無理をせず自分のペースで行ってください。
呼吸法をもっと深く知りたい方へ
医師や脳科学者、大学教授など、健康に関わる多くのプロフェッショナルが注目している呼吸法。関連書籍も多く出版されています。
種類の豊富さに迷ってしまいそうですが「呼吸法をもっと知ってみたい!」という方へ向けて、わかりやすく魅力的な呼吸法を提案している呼吸専門家達をご紹介します。
加藤俊朗(呼吸家)
「息を吐くことで心の中から無駄なものを手放し、シンプルに生きていける」「呼吸はひとりでできる心の健康管理」。
このような呼吸の持つ底力にフォーカスした、加藤メソッドの呼吸レッスンやカウンセリングを、医療法人などを通し約20年以上に渡り開催しています。
呼吸に関しての主な著書に『呼吸の本』(サンガ)『恋愛呼吸』(中央公論新社)など多数。
椎名由紀(呼吸アドバイザー)
高校時代より15年にも及ぶ自身の不調を、江戸中期の禅僧「白隠」の呼吸法で克服した経験を持つ、呼吸アドバイザーであり体内対話株式会社代表。
白隠の呼吸法に自らの経験、そしてエビデンスを踏まえて「ZEN呼吸法」メソッドを確立しました。
呼吸に関しての主な著書に『若返り美人呼吸』(KKベストセラーズ)『心がすっと軽くなる、魔法のZEN呼吸法』(宝島SUGOI文庫)など多数。
まとめ:呼吸を自分の中心に戻り輝くためのツールに
人は一日になんと、約2万回~3万回呼吸をすると言われています。
生きとし生ける全てのものの生命の源である呼吸、その回数分を輝けるチャンスだと捉えてみてはいかがでしょうか。
「息を吐いて吸う」。
これだけのシンプルな呼吸に集中する時間を作る、それだけで自分の心に浮かぶさまざまな雑念に気付き、内観するきっかけにもなります。
また瞑想やヨガなどと組み合わせてさらに進化させ、習慣化してみるとさらに効果が期待できそうですね。
そこまでの時間の余裕はないなら、少しでも不調を感じときのセルフケアや、毎朝起き掛けに10分でも行うことで十分にその効果を実感できるはず。
呼吸法を続けることで不要なものをどんどん手放し、気付けばキラキラと輝く芯のある女性に近付いているかもしれませんね。
文:mia 構成:mia 編集:さくみ
COMMENT