日本が「食品添加物大国」と言われていることを知っていますか。
実際に コンビニエンスストアやスーパーに並んでいる商品で、添加物の入っていないものを見つけるのはほぼ不可能なほど。
もちろん添加物には必要性なものもあり、全てを避けることはできませんが、できるだけ体に優しい食材を選べるよう自分なりの基準を持っておくことが大切です。
それがきっと、自分や大切な人の健康を守ることにもつながるのです。
食品添加物の働きと種類
食品添加物の働きは、簡潔に表すと食品をより良く見せたり美味しくさせるもの。
- ・食品の製造や加工
- ・独特の食感を持たせる
- ・色付けや味付け
- ・品質を保つ
などがそれです。
色艶が良いもの、サクサク感、もっちり感、ふんわり感、風味、食欲をそそる強い香りなどと表現されるものは、ほとんどが食品添加物の働きによるものと言えそうです。
また大きく分けて食品添加物は2種類あります。
化学合成で作られたもの
化学合成で作られた食品添加物は、厚生労働省により指定された「指定添加物」(472品/2021年5月調べ)で、これらの原料はほとんどが石油製品だそうです。
天然由来のもの
もうひとつは植物や海藻、細菌、昆虫、鉱物などから抽出した「天然添加物」。
この中には、日本ですでに長年に渡り使われているカラメルやにがりなどの「既存添加物」(357品/2020年6月調べ)、
バニラエッセンスなど植物や動物から抽出した「天然香料」、
そしてジュースや寒天など単体でも飲食されている「一般飲食物添加物」があります。
「天然由来の食品添加物=安心」とは言い切れない
ただ「天然由来だから安心」と、その安全性を鵜呑みにしないことも大切です。
バニラエッセンスなどなじみ深いものもありますが、例えば着色料の中には虫や幼虫のフンから摂取するものも。
また「既存添加物」は昔から食べているからある程度安全と考えてしまいますが、全て安全性が確認されたわけではないのです。
じゃあ、「いったい何を信じて何を食べればいいの?」と混乱してしまいますよね。
だからこそ、自分なりの基準やチェックポイントを設けることがとても大切だと思います。
体調不良と直結するものではなさそうですが、やはり長年の蓄積と量の多さが健康に影響する可能性があるのは想像できますよね。
食品添加物とその安全性
もともと食品添加物は食品をより美味しくするため、より遠く、また多くの人に届けられるように、という前向きな目的で生まれたもの。
ですが最近では「添加物は危険」などという情報を多く見かけますが、それはなぜでしょうか。
食品添加物の安全性、厚労省の見解とは
気になる食品添加物の安全性について厚生労働省は、
「食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や使用の基準を定めたうえで、使用を認めています」 健康・医療 食品添加物 –ホーム|厚生労働省
とのこと。
つまり商品として販売されている食品の添加物は、毎日の食生活で口にしても、すぐさま害はないという前提だということがわかります。
「複合影響」については調べられていない
ただ食品添加物の毒性試験ではそれぞれ単体では行っているものの、複数の化学反応や相互作用での身体への影響、つまり「複合影響」については調べられていないのです。
食品安全委員会によると、人が摂取する食品添加物の量は微量のため、体内に長く残らず分解されたり排出されるので身体への悪影響は極めて低いとしています。
とはいえ販売されている商品の大半に入っているのだとしたら、日々の食事から摂取する食品添加物の影響はスルーできない問題ではないでしょうか。
日本は「食品添加物大国」!?
日本では食品添加物が標準装備とばかり、入っていないものを見つけるのが難しいくらいほとんどの商品に入っています。
食品添加物の数は合計1,514種類(2015年9月18日調べ)で、これは世界のほかの国々と比べても、多いと指摘されています(最新のデータについては、厚生労働省のHPを確認ください)。
添加物が増えた背景には
売り物だから安全と無条件に受け入れたり、逆に毛嫌いするのではなく、そうならざるを得ない背景があることを知った上で選択することが大切。
日本が「食品添加物大国」となったのは、消費者である私たちが利便性や安さを重視し、「一円でも安く」「安くて味もいいもの」と買い求めた結果 かもしれないのです。
その一端を私たちが担っていることは忘れずにいたいですね。
スーパーやコンビニエンスストアは食品添加物の宝庫
忙しい日常の強い味方、スーパーやコンビニエンスストアですが、その利便性の裏にある添加物の存在を忘れていはいけません。
例えばこれほど日本中にコンビニエンスストアが多いにも関わらず、コンビニエンスストアで食中毒という話を耳にすることは滅多にありませんよね。
私たち消費者はそれだけ信頼して買い物ができるので、ありがたいですが、その「安全性」を支えているのは食品添加物だということ。
食品メーカーや企業は食中毒を避けるため、その分保存料など添加物を駆使する必要が出てくるというわけです。
海外ではNG?「赤色2号」
海外ではすでに使用されていない食品添加物が、日本では使い続けられていることも。
着色料はその代表的な例で、例えば「赤色2号」は日本ではゼリーや清涼飲料水などに使用されてます。
アメリカやEU諸国では生活習慣病のリスクが懸念され、使用禁止または制限がかかっているのだそうです。
ほかにも最近の遺伝子を突然変異させたり、染色体を切断するとされる「赤106号」も、海外ではほとんど使用されていないそうです。
特に避けたい食品添加物とは
日常的に食べる商品に多く使われている、なるべく避けたい食品添加物をいくつかご紹介します。
亜硝酸ナトリウム(ハムなど)
亜硫酸ナトリウムはキレイな色を長持ちさせる働きがありハムやウインナーなどの加工品に使われています。
毒性の高さから、アメリカではベビー食品への使用は禁止されているよう。
アスパルテーム(ガムなど)
アスパルテームは安全性についての論争がずっと続いているいわくつきの甘味料で、清涼飲料やガムなどに使われています。
アメリカではこれを摂った人からめまいや不眠、味覚障害などのクレームが相次いだそうです。
ダイエットしていると「シュガーフリー」商品が魅力的に映りますが、代わりに人工甘味料が使われていないかチェックしてみて。
イマザリル(レモンなど)
イマザリルはレモンやグレープフルーツなど柑橘類の輸入の際に使われている防カビ剤。
日本では農薬のため食品添加物として認められていなかったのにも関わらず、輸出国からの圧力もあり、すぐにイマザリルを食品添加物として認めたのですから驚きです。
最近はスーパーでも簡単に国産の「防カビ剤不使用」のレモンが手に入りますので、ぜひ国産を。
食品ラベルの読み方を知ろう
食品添加物を使用したら容器包装入りの加工食品にはすべて表示するのがルール。
また添加物は、使用した重量順に記載することが決まりなので、原材料名の順番に注目してみて。
最近は食材と添加物の間は「/」で区切られるようになり、各段に見分けがつきやすくなりました。
記載が免除されることも
食品添加物には記載が免除される場合があります。
食品の栄養を高め安全性の高いとされるビタミン類、アミノ酸類などの「栄養強化剤」、
食品を加工する過程で使われるもので最終的に残らない、もしくは微量とされる塩酸や硫酸など「加工助剤」、
そして原材料自体に含まれる添加物の「キャリーオーバー」です。
個別パッケージが小さ過ぎる場合も免除に
また個別パッケージが小さ過ぎて記載できない場合、量り売り、店内調理のものなどは表示自体が免除です。
何が使われているのかどうしても気になる人は、ラベルが貼ってあるサイズの商品を選び、できる範囲で加工品を避けるなどの対応を。
まとめ
「食品添加物大国」と呼ばれる日本の、食品添加物やその安全性についてご紹介しました。
もちろんご紹介できたのはほんの一部。
そしてあくまでこういう側面、背景があるということをお伝えするだけで、その上で何を選ぶかはいつも私たち一人ひとりの意識次第です。
なるべく自然環境で育てられたもの、伝統製法で作られたもの、シンプルな材料で作られたものを選びたいですが、その手間暇や材料の分、値段も高くなるのが現実。
ただ、優先順位を自分や大切な人の健康とするなら、まず毎日使用する調味料などから少しずつそういうものに変えていくなど柔軟に対応したいですよね。
文:mia 構成:mia 編集:さくみ