猛暑の中、マスクをして苦しそうに歩いている人をよく見かけます。 [fontsize class=’l’] 新型コロナウイルスの危機感があるから、というより逆らえない「風潮」や「ご時世」のため、という人が多いのではないでしょうか。 [/fontsize]
ただ夏真っ盛りの今、マスクのせいで熱中症になったり、免疫力が低下したり、肌荒れしたりとほかの健康面でのリスクも心配されています。
「マスクは本当に意味があるの、ないの?」。きっと多くの人が感じている疑問を、さまざまな見解から掘り下げてみたいと思います。
新型コロナウィルス対策におけるマスクの意味
「新型コロナウィルス感染症専門会議」からの提言(2020.5.4)を踏まえた、「新しい生活様式」の実践例を厚生労働省が紹介しています。
「一人ひとりの基本的感染対策」
・身体的距離の確保
・マスクの着用
・手洗い
さらにマスクに関しては、「外出時や屋内でも会話をするとき、人との間隔が十分取れない場合は、症状がなくてもマスクを着用する。ただし、夏場は、熱中症に十分注意する。」とあります。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html より引用)
マスク着用については、本当に感染症予防に繋がるのか、ほかの健康被害のリスクはないのかなど、その意味の真意が問われています。
WHOや国など、それぞれの立場からの見解を見てみましょう。
WHOの見解
WHOはマスクを重要視しています。元来、健康な人の着用は感染を予防できる根拠がない、としていましたが、6月5日よりマスク着用に関する指針を大幅に変更。
「 無症状の患者からの感染拡大を広めないために」マスクは意味があると伝えていて、「感染が広がっている地域の公共の場でのマスク着用を推奨する」としています。
国の見解
日本ではコロナウィルス感染対策の3つの基本に「マスクの着用」が記されています。
厚生労働省のサイトやニュースなどを見てわかるように、国としてはマスクの着用を強く推奨している印象を受けます。
マスクの正しい着用の仕方や、不足しないための情報などは明記されていますが、着用の「意味」については詳しく書かれていないようです。
参考文献:厚生労働省 国民のみなさまへ(新型コロナウイルス感染症)
「マスク意味ない派」の理由とは
昨今、「マスクが意味ないのでは」といたるところで議論されているのは、以下のような理由で、 [fontsize class=’l’] マスクによりかえって健康状態を悪化させる可能性がある [/fontsize]、と考えられているからです。
「マスクによって自ら細菌が増殖する環境を作りあげている」
内海聡医師によると、暖かい時期には細菌が増殖するのは必須、さらにマスクがそれを助長しているとのこと。その結果、感染症が誘発される可能性もあるのだとか。
そもそもマスクや消毒によって物理的に感染症を防ごうという考え方自体が、間違っているとも断言されています。なぜなら「本人の免疫の方が大切だから」と。
内海医師のように状況を冷静に判断できる先生が、このように公に発信してくれると心強いですよね。
「マスク下の呼吸では酸欠状態になる」
鍼灸師の清野十典氏は、 [fontsize class=’l’] マスク内の酸欠状態により頭痛やめまい、集中力の低下が引き起こされる可能性がある [/fontsize]と言います。
一度吸って吐いた酸素濃度はその都度低くなっていくのですから、冷静に考えても自分の吐いた呼吸を再度吸う、という状況が身体にいいとは到底思えません。
酸欠状態を予防するには?
マスク内呼吸を続けることにより、 脈拍・呼吸数の増加、頭痛、全身脱力などが症状として現れるようになるとか。思い当たる症状はありませんか。
マスクの形やサイズの見直し、 鼻呼吸を心がける、30分に一度は人気のないところで呼吸をするなど酸欠状態を予防する方法は色々あるので、ぜひ試してみてください。
参考文献:マスク内の呼吸は酸欠状態?精神や肉体活動の低下を防ぐ方法とは
マスクによる熱中症のリスク
厚生労働省も「マスク着用による熱中症のリスク」について、リーフレットを作成しています。
マスクを着けると皮膚からの熱が逃しにくくなり、体温調整がしにくくなることが原因のひとつです。
屋外で人との距離が2m以上あるときは、「マスクをはずしましょう」と注意を呼びかけています。
子供へのマスク着用について
マスクについて、大人と子供に対してでは異なる見解が出されているので、注意が必要です。
2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!
日本小児医会の見解として、2歳未満の子供にはマスク着用は不要としてます。
[fontsize class=’l’] 乳児の呼吸器への空気の通り道は狭く、マスクをすることで心臓への負担になる可能性がある [/fontsize]、窒息や熱中症のリスクが高まる、顔を覆ってしまうため体調異変に気付きにくいなどがその理由です。
子供の感染や重症例も極めて少ないことから、そこまで神経質にならなくても良さそうです。
子供の集団生活でのマスク着用の見直しも
学校で児童や生徒がするマスクについて、 文部科学省も「基本的に常時着用」を見直し、状況に応じて取り外すよう促す方針を固めています。
これは熱中症のリスクを考え、その対策を優先するものだそうです。感染を防ぐための対策で、体調を壊していたら本末転倒ですよね。
参考文献:子どものマスク「常時着用」見直しへ 文科省、熱中症対策を優先
「結局、マスクはどうすればいいのか」は、自分の選択
新型コロナウィルスについての情報は、新型だけに情報も不安定。「Do’s and Don’ts(すべき・すべきじゃないこと)」は日々変わります。また、それに対して様々な見解が生まれることも想像に難くありません。
こういうときこそ不確かな情報や誰かの意見に惑わされず、意識的に情報を仕入れた上で、自分の感覚や責任で行動を選びたいものです。
例えば、 マスクをせずコロナウィルスに感染しても、マスクのせいで自分の子供が熱中症で倒れても、誰かが責任を取ってくれるわけではありません。
コロナウイルスにかかるリスクと、マスクによる健康被害を受けるリスクとを天秤にかけながら、自分で臨機応変に対応していくしかないのです。
そしてマスクをするしないのどちらを選んでも、その「意味」を誰かに問われた時に明確に答えられるように、しっかりと「考えて」行動をしたいものですね。
まとめ
新型コロナウィルスが蔓延し始めた冬と、暑さが盛りになる今ではマスク着用に対する考えに違いが出てくるのは自然なこと。
今大切なのはそういった状況の変化に、柔軟に対応することではないかと思うのです。
「合わせる」ことが得意な日本人の国民性は素晴らしい部分も多いのですが、これからの時代、自分で考えて行動することが強く求められているように思えてなりません。
当WEBマガジンの見解としては、マスク着用といった外部的な防御だけでなく、ウイルス対策の肝は「免疫力アップ」だと考えています。
「最悪、感染しても大丈夫!」という大らかさは持っていたいもの。もちろんその言葉には、そうなっても重症にならないくらいには免疫を高めている自負があることが前提です。
それに、免疫力さえちゃんと働いてくれていたら、やはり簡単にはかからないでしょうから。
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